ゴミ屋敷につながるセルフネグレクトをご存知ですか?特殊清掃業者の存在
1.自己放置=セルフネグレクトとは
1-1. 今ゴミ屋敷が多くなる要因をご存知ですか
昨今耳にするゴミ屋敷。その居住者をどう思われますか。
「なぜゴミを溜めたままにするの」「不潔でも平気な人」などと人格を疑う方がいらっしゃるでしょう。
また、「ゴミだらけでよく居られるなあ」「衛生面が悪いから病気にならないの」と思う方も多いことと思います。
身なりはきっちりしているのに、住んでいるところは全くだめ、ということもあるでしょう。
今、こういった傾向になる人が多く、その原因の一つは自己放置=セルフネグレストであると言われています。
今回は、その「セルフネグレストって何? そのままにしておくとどうなるの? という疑問について考えていきたいと思います。
1-2.お風呂に入らなくても平気。食事どうでもいい、という傾向が。
ネグレクトという言葉をご存知ですか? 構わない、放置する、面倒を見ない、と訳される英語です。
そのネグレクトにセルフ、つまり自己が頭に付いた単語です。
セルフネグレクトとは、自分のための食事や風呂、片付けなど生活していく上で必要なことを怠ることです。
自分の健康や環境が悪くなっても改めようとせず、スパイラルのようにどんどん悪化していきます。
最悪の結果として、ゴミ屋敷化したり孤独死につながることが見受けられます。
1-3.その先に孤独死がある、セルフネグレクト
「孤独死の現状レポート(2016年3月)」(日本少額短期保険協会発行)では、東京23区内で65歳以上の孤独死(賃貸住居内における)の数は、2002年の1,364人から2014年には2,885人と2倍以上になったとの結果が公表されました。
そして死後発見される平均日数は、男性で23日後、女性は7日後との調査結果もあります。
孤独死が起こった原因の約8割がセルフネグレストであるとの調査もあります(ニッセイ基礎研究所)。
地域との関わりの希薄化、周辺との孤立化がさらに孤独死の増加につながっているのかも知れません。
2.なぜセルフネグレクトがゴミ屋敷を生み出すのか
2-1.あなたの近くに居ませんか?
この5つの特徴に当てはまる方が近くに居れば、注意してあげてください。
・部屋や建物周りが汚い。
・断捨離ができず、いろいろな物を溜め込んでいる。
・不要なものでも入手する。
・健康状態が悪そうだ。
・着の身着のまま。
2-2.自己放置はなぜ起こるのか
先にも述べたように、地域との関わりの希薄化、周辺との孤立化が進むことで特に一人暮らしの人にその傾向があります。
一人暮らしの7割がセルフネグレクトであるとの結果も出ているようです。
平成23年の内閣府調査では、セルフネグレクトに陥る人の住居は「平屋の戸建」が1位で40.3%、「複数階の戸建」が次いで34.7%。
合わせると、4人に3人が戸建ということになります。
戸建は部屋数も多く、庭が付いている場合もあるので、周りから隔離され、さらにゴミを溜めやすい環境になります。
自己放置の原因にはさまざまな理由が考えられます。
①周囲との孤立
②身体的、健康面の問題
③認知症
④精神的ダメージ
⑤生活苦
具体的に考えていきましょう。
①周囲との孤立
先述のように、セルフネグレクトは7割が一人暮らし。
周囲に頼れる人がいない、他人とコミュニケーリョンを取らないから地域社会とも交流がない。
②身体的、健康面の問題
脳梗塞を患った、怪我をして動きにくいなど、通常の生活を送ることができなくなり、自ずと自分の面倒を見ることができなくなる。
③認知症
適切な判断ができなくなる認知症。そのため、食事も摂れない、入浴もしない、掃除も出来ないなど、自分を構うことができなくなってしまいます。
内閣府の調査では、セルフネグレクトの半数以上が介護を要とする認知症を患っているとされています。
④精神的ダメージ
同居や近辺の親族を亡くしてしまった。家族や周辺の人から無視されている。
そういった人もセルフネグレクトになる傾向が強いようです。
同居家族がいたから家事をしてた。居なくなると自分のためだけに料理を作ろうとは思わない。掃除もしない、などと考えてしまいがちになります。
⑤生活苦
経済的困窮の結果、お金を遣うことをためらうことになり、食事が減る、風呂に入らない、病院にも行かない、そういった状態に陥りがちです。
それが悪循環になり、健康面、生活面等々が悪化していくことなってしまいます。
3.まずはセルフネグレクトチェックしませんか。
以下の質問に答えてください。
Yesの数の多いほうが、セルフネグレクト傾向にあります。
あなたは、既にセルフネグレクト? それとも、セルフネグレクト予備軍ですか。
・単独暮らし。もしくはいつもほぼ一人
・親類や友人が近隣に居ない
・介護が必要なのに、介護サービスを受けていない
・体調不良でも殆ど病院には行かない
・風呂に入らなくても平気。頭髪やひげは伸びたまま
・髪やひげを整えていない、お風呂に入っていない
・何が何でも節約。反対に何も気にせず散財する
・支払にルーズ。お金に無頓着
・食事をあまり摂らない。栄養バランスは考えてない
・屋外内にゴミが溜まっている。そのため、悪臭もする
・部屋が散らかっている
・何でも辺りに置いたまま
4.こうして、セルフネグレクトから救い出そう
4-1.まずコミュニケーションから始めましょう
自己放置している人は、周囲の人との関わりを持たず、コミュニケーション力に乏しい方が多いです。
ですので、まずは会話から。
「ゴミが溜まっていますね。お手伝いしましょうか」「病院、ご一緒しましょうか」など本人と話すきっかけを作り、信頼関係を築くことで心を開くようになってくれます。
信頼関係が築けたら、何が必要なのか、何が原因になっているのかなどを聞き出しましょう。
そして、サポートできることを考えていくことが重要です。
まずは聞き役に徹することです。
4-2.親族や知人ができること
認知症や要介護状態の方には親族や知人がお大きな支えになります。
ではどのようなことをしてあげるのがいいでしょうか。
- 域包括支援センター行ってみましょう
各自治体に「地域包括支援センター」という機関があります。無料で相談できるので、まず相談してみましょう。
介護サービスのサポートや本人の存在を分かってもらえる良い機会になります。
また要介護認定も行ってもらえるので、専門家の意見を聞くことも大事です。
②近くの病院や医師に相談する
認知症や要介護状態の方にとって、やはり病院や医師は頼もしい存在です。
薬を処方してもらい、認知症の進行を遅らせたり、緩和させたりすることが可能です。
まずはかかりつけの病院・医者を作りましょう。
③代行サービス
家事や掃除、食事の宅配など、現在はさまざまな代行サービスが存在します。
金額面のこともあるので、親族や知人が各サービスと話し合い、どこまで依頼が可能かを判断してあげましょう。
そして、本人が納得の行く形でサービスを受けることが肝心です。
④介護サービスを利用する
もし、介護認定されているのならデイサービス(通所介護)や訪問介護を利用することをお勧めします。
介護保険を利用なら、原則1割負担でサービスをくけることが可能です。
(収入に応じて変わる場合もあります)
単身居住が7割を占めるセルフネグレクト。介護サービスをうけることで、他者との接点ができることにもなります。
5.まとめ
自らを放置するセルフネグレスト。
生活・環境・衛生・栄養を考えず、自分を放置し、どんどん悪い状態に陥ってしまうことにつながります。
最終的にはゴミ屋敷化したり、孤独死につながることとなります。
セルフネグレスの要因は
①周囲との孤立
②身体的、健康面の問題
③認知症
④精神的ダメージ
⑤生活苦
など様々。
周囲のサポートが必要なセルフネグレクト。
地域包括支援センター、近くの病院や医師、各代行サービスに相談や協力してもらうことが重要です。
また長く放置したままの結果、最悪ゴミ屋敷化したり悪臭を放ったりすることもあります。
そのような時は特殊清掃業など専門の業者に依頼しなければならない場合も出てきます。
そこで、特殊清掃業者が力強い味方となってくれますが、知識のない皆様がどの業者を選べばいいのか迷ってしまうことが現実です。
愛知県の特殊清掃業者おすすめ3社の特徴や料金、口コミなどを徹底比較した記事があります。ご参考に
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